がんやくシート

がんやくシート① −胃がん− 術後化学療法についての解説

うーちゃん
うーちゃん
がんやくシートってなんだにゃ?

各種がんについて、非がん領域で普段仕事している先生たちがパッと見で分かりやすい情報をまとめることを目的としたシートです!

がん専門に向けて自分の復習のためも兼ねてます。

がん”を””剤師向けに要”約”したもの、という意味を込めて、嫁がつけてくれました(^ω^)

まず第一弾は胃がんです!結構久しぶりに触れました。

うーちゃん
うーちゃん
StageⅣになると一気に生存率が下がってて怖いにゃ…

胃がんは延命・症状緩和が十分に期待できるがんですが、転移・再発の進行性のものは完治は難しいがんです。

それもあって再発予防の術後化学療法が大切なのですね。

スタンダードはS-1の1年間内服ですが、最近はオキサリプラチンレジメンやDTX併用レジメンも有効性が確認されています。

5年RFS(無再発生存率)は65.4%vs. 53.1%(手術群に対するTS-1群の再発のHR=0.653)で、TS-1群では手術群と比較して再発リスクが34.7%低下していたと言われています。

S-1単剤ではステージ別だと、

ステージII  79.2%vs. 64.4%(HR 0.521、95%CI 0.362-0.750)
ステージIIIA 61.4%vs. 50.0%(HR 0.696、95%CI 0.514-0.941)
ステージIIIB 37.6%vs. 34.4%(HR 0.788、95%CI 0.539-1.151)

Sasako M. et al., J Clin Oncol, 2011; 29(33): 4387-4393

となっており、ステージが進んでいるとS-1単剤での旨味があまりないわけですね。

サブグループ解析とはいえⅢBだとハザード比1またいじゃってるわけですからね。

ではStageⅢならどうすればいいかというと…

XELOX療法(ゼローダ+オキサリプラチン 3週/1コース x8コース)
3年RFS(無再発生存率):67.8%(95%Cl:54.3-78.1%)
3年OS(全生存率)    :79.3%(95%Cl:66.5-87.7%)

SOX療法
(S-1+オキサリプラチン 3週/1コース x8コース ※1コースめはS-1単独)
3年RFS(無再発生存率):70.9%(95%信頼区間:57.8-80.5%)
3年OS(全生存率)    :75.7%(95%信頼区間:63.0-84.6%)

という報告があります。

(J-CLASSIC試験、SOXaGC試験  ASCO-GI 2018より)

さらにDS療法はどうでしょうか。

今年のASCOで報告がありました。

DS療法(DTX+S-1 S-1:2投1休/1年間 DTXは2-7コース目のday1のみ)
StageⅢの胃がん術後に対して

3年RFS:65.9%(vs S-1単剤 49.5%)
HR:0.632(95%Cl:0.400-0.998)

サブグループ解析の結果はN1患者以外ですべてDS療法が有意に優れていたという結果でした。

(JACCRO GC-07試験 ASCO 2018より)

現時点ではⅡ期ならS-1、Ⅲ期ならDS、あるいはN1以外はオキサリプラチン上乗せレジメンが考慮されるといったところでしょうか。

万一再発してしまったときのことを考えればオキサリプラチンは温存してDS療法を優先して使っても良いかもしれませんね。

ではまた次回!

うーちゃん
うーちゃん
次回はStageⅣの化学療法についても教えてほしいにゃー!

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