医療とAIのコラボレーションに興味があって読んでみました。
著者の松尾豊氏は東大の准教授。AIの冬の時代にあってもAIの可能性を追求し続けていたそうです。
少し前にEテレ「人間ってナンだ!? 超AI入門」という番組でも出演してましたね。
AI素人にも非常にわかりやすく読みやすい本でした。
- AIは別に人間を支配しない。
- AIブームは今回が始めではない
- 最近なぜAIが取り沙汰されているのか?
- AIに仕事は奪われてしまうのか?
AIについてとっても基本的なことがよく分かる良い本でした!
自分のようなトーシロにもよく分かる内容で◎
人工知能の定義は専門家でも定まっていない
人工知能LV1:単純な制御プログラム(人工知能とは言えない…かも?)
人工知能LV2:古典的人工知能
人工知能LV3;機械学習
人工知能LV4:ディーブラーニング
Lv1は単純な命令に従うだけでシェーバーとかにも「人工知能搭載!」なんて売られてる。AIとはちょっと言い難い。
Lv2はもう少し細かい命令を知識や重み付けして活用して命令に従うことが出来るが莫大な指示書が必要になる。
Lv3はいくつかのサンプルからルールを判別して考えることが出来る
Lv4は作業をするなかでより適切なルールを考え生み出す事が出来る。
LV2の人工知能でも総当たりで色々試行錯誤シミュレーションをすることでよりよい選択肢を探すことができるが、「何が良くて悪いか」も人間が決めてあげないといけない。それが膨大な量のデータを学習させる必要があって非現実的だった。(”常識”を学ばせることすら無理だった)
機械学習・ディープラーニングはその常識を大きく変えたテクノロジーだったのです。

三度のAIブーム
1950年代の第一次AIブームは複雑な問題を解決できないため廃れ
1980年代の第二次AIブームはLv2の莫大な指示書を作ることがほぼ不可能とわかり廃れ
2000年代の第三次AIブームはインターネットの普及とともに大量のデータを用いた機械学習と、大きなブレークスルーであるディープラーニングが合わさって巨大な波となっている。
★機械学習とは…データを反復学習して、そこに潜むパターンを自分で見つけ出すこと!
★ディープラーニングとは…厳密には機械学習の一部!
従来と比べると、今まではデータの答えは人間が用意する必要があって、それをもとにパターンを見つける必要があったけど、ディープラーニングは答えを設定してないバラバラのデータから自分で答えを導き出せるようになった!ということ。
つまり…
猫と犬の画像を区別させようとしたら
猫カテゴリの画像と犬カテゴリの画像を大量に用意して、それを読み込ませると…
従来の機械学習「猫のパターンと犬のパターンを覚えた!」
となっていたが
ディープラーニングはカテゴリ分けせずに犬と猫の画像を読み込ませれば…
ディープラーニング「なんか違う生き物を認識、それぞれの見かけの違いを覚えた!」
と勝手にやってくれるわけだそうです。
シンギュラリティとは
2045年にシンギュラリティが起こるといわれている。
シンギュラリティとは人工知能が自分より0.0001%でも優れた人工知能を作れるようになったとき、人工知能の爆発的な成長が起こるという理論。
でもだからといってよりディープラーニング出来ることと人間を征服することとは話がかけ離れすぎている。
猫か人かの特徴の違いや、高血圧っぽい人なのか不眠症っぽい人なのかを見分ける事ができるようになったからと言って
「じゃあ人間滅ぼしたろ!」
と考えるようになるなんていう話は飛躍しすぎてるってことですね。
でも、間違いなく人工知能は大きな社会的インフラを担う存在になるだろうとのこと。
そんななかで薬剤師は??
単純な情報量ではもはや勝てないのは明白なところです。
既知のデータを整理して活用することは非常に人工知能は得意としますが、
因果関係のはっきりしていないもの、データ数の少ないものなどは苦手となるでしょう。
知識面では薬理学の知識を応用することによってハッキリわかってはいないがこういうことが予想される、と考える能力は人間にまだまだ分があるでしょう。
非合理的であってもそれに賭ける必要がある判断や、希少疾患や新薬・育薬、そしてコミュニケーションに薬剤師が生きていく道はあるのかもしれませんね。
それがいつごろの未来になるのか、個人的にはとても楽しみです。
AIを活かせるか否かで薬剤師の情報レベルが大きく変わる将来もあるかもしれませんね。
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